ワンダースワン(WonderSwan)とeTrex
ロガー
GPSユニットを使い込んでくると欲しくなるのがいわゆる"ロガー (logger)"。
これはGPSで測位した状態で長時間行動した場合に、GPSユニットのメモリーから溢れるトラック(軌跡)ログを退避保存する、いわば外部記憶装置のことである。
ロガーは必須アイテムという物ではないが、旅の記録の一つとして、自分の足跡をデジタルで残したい、という場合にはほぼ必須アイテムと言えるだろう。
さて、そのロガーとしてポピュラーなのはPDA。SHARP Zaurus, Palm OS搭載機, Windows CE搭載機などのPDAをGPSユニットとシリアルケーブルで接続し、有志の方々によって製作配布されているプログラムを使用して、GPSユニット内のデータを取り出すのである。
かくいう私はロガーとして、初代はSHARP ZAURUS、それが不調を来たし二代目はVisor DeluxというPalm搭載機を使用していた。
そんな環境でとりあえずGPSライフ(?)を送っていたのですが、ここ最近ハンドヘルドGPS関係の諸サイトを拝見していると、WonderSwanという携帯ゲーム機をロガーとして活用するケースの紹介が目立つようになってきた。安価で環境が整えられるのが魅力のようだ。
自分の場合、ロギング環境としては上述したようにVisorがあり、WonderSwanにはそれほど興味は沸かなかったが、2002年11月24発売の
「カシミール3D GPS応用編」で画面ショット付きで紹介されているのを見ていたら、ムラムラと興味が沸いてきて、結果的には手を付けることになってしまった。
結論から言うと、WonderSwanで作るロギング環境は、既に先達らが各所で述べられているように、安価・コンパクト・(操作が)簡単と、素晴らしいです。初期環境を揃えるためにしばし奔走する価値は十分あると思います。
以降、私がWonderSwanで行った事を述べておきたいと思いますが、何しろ既に多くのパイオニア達がWEB上で詳しく解説して下さっており、私なんぞが解説するのはおこがましい、と言うのが率直なところかもしれない。
もし、このページを見てGPSユニットとWonderSwanのコンビネーションに興味を持たれた方は、このページの一番下の
リンクコーナーで紹介しているサイトを読み歩いてみてください。より詳しい技術情報が得られます。また、気づいた点があった場合は適宜加筆してゆきたいと思います。
WonderSwanの入手
私自身、はっきり言ってこのゲーム機の予備知識はゼロでした。eTrexと繋がる事を知らなかったら一生知らずに通したかもしれません。
とりあえず最初に訪れたゲーム屋では、ワンダースワンのコーナーは場末に追いやられていた。そして最新型のTFT液晶搭載の"クリスタル"という機種しか置いてない。"クリスタル"はTFTカラー液晶装備で8,000円弱だ。予習によるとロガーとして使う場合モノクロで十分らしいのでクリスタルはパス。
次に訪れた店。ここも先の店と同様、ワンダースワンコーナーは隅の方に追いやられており、かろうじて他のゲーム機のコーナーに居候している感じ。が、幸運なことにここには初代のモノクロ機が一台だけあった。早速それを持ってレジに行くと、予想通り店員が「こちらはモノクロですけどいいですか?」「ソフトついておりませんがよろしいですか?」と。「いいです。ゲームのために買うんじゃないです。」とキッパリ言い放ち\2,980でゲット。
しかし、これだけでは何も出来ない。
WonderWitchプレイヤーの入手
WonderSwanはカートリッジに収められたプログラムを実行するため、本体だけあっても何も出来ない。
今回の目的のGPS関連プログラムもPCからカートリッジに転送する必要がある。そしてPCとスワンを接続する専用ケーブルも必要だ。
これらは
WonderWitchというワンダースワンの開発キットを購入すれば全て揃うらしい。また、
WonderWitch Playerという配布プログラムを転送するだけのキットもある。プログラミングをしない人にはこちらでもいい。とりあえず私はC言語は良く分からないので、後者のWonderWitch Playerに決めた。
こちらは田舎の市中で探すのは困難そうなので、潔く販売元の
(有)キュートのWEBショップで購入した。
WonderWitchプレイヤー
WonderWitchプレイヤーには"TransMagic"という、転送ソフトが同梱されている。これを使ってプログラムをPCからスワンに挿し込んだカートリッジに転送する。
使用方法は至って簡単で、PCとスワンをケーブルで接続した後、スワン側を"通信"モードにしておき、"TransMagic"でシリアルポートの設定を確認後、メニューにある"接続"を選ぶだけでOK。あとは予めダウンロードしておいたプログラムを矢印ボタンで転送するだけである。
ちなみに
Tera Termを使って転送する方法もあるようです。(私はまだ試してません。)
eTrexと接続
スワンとeTrexを繋ぐ場合、WonderWitch(もしくはWonderWitch Player)同梱の専用ケーブルとGARMINのPC接続ケーブルを使って接続する。

写真でeTrexから伸びているケーブルは、野外携行用に、純正ケーブルを自分で切断して、コネクタを付け直したショートバージョンです。
スワンから伸びているのがスワンケーブル。
とりあえず、これでeTrexとワンダースワンの環境は整った。これが基本形でしょう。
そして以下の御二方が配布されているプログラムの動作も確認できました。
gigo様のGPS TRACK LOGGER for WonderWitchのgarlogに至っては、トリップコンピュータ機能、簡易ナビゲーション機能まで実装されており、ロガーの域を超えたものです。
素晴らしいプログラムの配布、ありがとうございます。

これはgarlogを車内で使用しているところ。
WonderSwan - eTrex直結ケーブルの作成
さて、一通り環境は整ったわけだが、上の写真の通り、スワンとeTrexを接続する場合、デフォルトではD-Sub 9pinコネクタを介することになる。とりあえずこれでも問題は無いが、関係各サイトを見ていると、中継コネクタを廃したスワンとeTrexの直結ケーブルの製作方法が散見される。
野外で使用する場合、当然ケーブルは軽量でスッキリしていたほうがいい。ということでさっそく挑戦。
直結ケーブルの製作に必要なのは、WonderSwan対戦ケーブルと、抵抗(2.2KΩ)と定電圧(ツェナー)ダイオード(3.3V)。さらにePlugと呼ばれるeTrexのコネクタ。そして少々のDIY精神。;-)
詳しい技術情報はなかざわかずお様の
「WonderSwanでGPSのTrack Logを保存する」をご覧いただきたい。
※ちなみに、自作は敷居が高いと感じる場合は、
RIGHT STUFF, Inc.さんより同等品を購入することが出来ます。
WonderSwan対戦ケーブル
WonderSwan本体を買った店で\1,500程度で購入。これを途中で切断して使います。
eTrexのコネクタ。これは
e2Plugと呼ばれるフラットタイプを以前に購入してあったので、これを使用することにした。

しかし、このe2Plug、容積が小さいので、コネクタ内に抵抗とダイオードを仕込むのが難しそう。無理すれば出来なくも無さそうだけど、自分の技量からして失敗する可能性が非常に高い。プラグの予備が沢山あれば挑戦したところだが、失敗したら手持ち唯一のe2Plugが駄目になる。大事をとって抵抗とダイオードはe2plug内に仕込まずにコネクタ外部で実装することにした。(実装方法は後述)
※ちなみにこちらのサイトではe2Plug内に仕込んでいるようです。
WonderSwanでFlight Navigator
この写真は途中で動作確認しているところ。捩れてしまって分かりにくいが、ケーブル途中に絶縁チューブで保護した抵抗とダイオードが繋がっている。
抵抗とダイオード部は、ヒューズホルダーに収めることにしました。インシュロックタイで引っこ抜け対策を施し、接触防止と固定のため接着剤を充填して密封。これならスリムです。
ここまでの配線はこのような感じです。
※参考にする場合は自己責任でお願いします。また、ケーブルのピンアサインは各自テスターで確認してください。
ヒューズケース部の防水対策。
本当は熱収縮チューブなどで決めたかったが、あいにく手持ちが無かった(買い忘れた!)ので、自己融着テープ(ブチルゴムテープ)を巻いた。
完成。
DB9コネクタが無くなってすっきり。
gar2wsでeTrexのトラックをダウンロードしてみる
製作に要した工具
- 半田ゴテとハンダ
部品を接続する際に...
- テスター
コネクタのピンアサインを調べたり、接続状況を確認したり...
- カッター
被覆を剥いたり
- ラジオペンチ
e2plugで圧着するときに...
- ニッパー
ケーブルを切断
フィールドインプレッション
2002年12月29日、山で使用してまいりました。
自宅から登山口までのアプローチは自動車。この行程にはおよそ2時間を要する。この間車中ではVistaとWonderSwanをケーブルで繋ぎ、garlogでリアルタイムにロギング。
登山口から山頂まではおよそ二時間。この行程はケーブル接続は無し。その代わりに上述の自作直結ケーブルを携行。すなわちリアルタイムでログを取らず、適宜頃合いを見計らってgar2wsでログを保存する算段だ。これはZaurusやVisorを使っていたときと同じ手法。
(もっともVistaのキャパなら往復4時間の山行において途中でログ保存する必要は無いと言えばそれまでだが...)
この写真は山頂でログを取っている光景(Exif情報有)

これまで使用していたVisorに比べ、軽量なのがいいですね。そのくせ電池が長持ち。WSを買ってから、下界で散々酷使してますが、未だに電池を交換していません。
謝辞
プログラムを製作くださっている方。ならびにケーブル製作などの技術情報を公開して下さっている方々にお礼申し上げます。ありがとうございました。