eTrex Vista-Jを分解する
事の始まりは2003年10月。日本語版Vistaを購入してようやく1年が経とうとしたしたある日。某山を下山中に異変は起こった。ふとVistaの画面に目をやると、液晶画面に描画されない線が水平に等間隔で入っていた。「何事か?」と戸惑ったが、そのときは何度か電源をON/OFFしたら治まったので"偶発的な不具合"と言う事で片付けた。
数日後またもや同じ現象が発生。今度は電源のON/OFFだけでは直らない。電池を抜いてみたり、交換しても直らない。どうしたものかと思い、軽く本体を手のひらで叩いたところ、衝撃に反応して画像の乱れに変化がおきた。何度か衝撃を与えているうちに正常な表示に回復した。
衝撃に反応するとなると、接触系のトラブルだと容易に想像が付く。それほど乱暴に扱った記憶は無いのだが...
かなり気持ち悪い現象だが、頻度としては稀だったことと、情報の読取りに影響は無かったことと、軽い衝撃で回復する事も分かったので、修理に出さずにそのまま使用することにした。仮に修理に出しても先方で再現するとも限らない。
保証期間も切れ、そのまま数ヶ月使用し続けたが、症状が悪化してきた。ときおり画面が全く表示されないときがある。当初はありがちな電池の接触不良で電源が落ちたのかと思ったが、そうではない。画面だけが消えていた。何よりの証拠に、画面が消えていた間もトラックログは記録されていた。

このように全画面がバーコード状になってしまうこともある。(左図参照)。
こうなると実用上にも支障がでるが、ログは取れているし、しつこく叩けば直るのでまだまだ放置しておいた。
(左の写真は"縦縞系"ばかりですが、それ以外にも"横縞系"や、"表示ムラ系"など、様々なパターンが出ました。)
さらに数ヶ月経過した2004年7月下旬。
なかざわさんのサイトの
BBSで同様の問題の報告を発見。どうやらこの画面の乱れ問題はレアケースではないようだ。
geocaching.comのフォーラムやネットニュースのニュースグループ
sci.geo.satellite-navにおいて、"screen problem"や"display problem"で検索すると、かなりのスレッドがヒットする。
そこで分かったのは...
- 画面の乱れはよくある不具合
- 筐体を叩いたり捻ったりして一時しのぎ
- 主基盤と液晶ユニットを繋いでいるフレキシブルケーブル(FPC)のコネクタ部の接触不良が原因
- 恒久的改善は、フレキシブルケーブル(FPC)のコネクタを再接続し、接触を確実にする
- 保証期間内ならGARMIN(もしくはその代理店)に修理(交換)してもらう。保証期間が過ぎている場合は有償で修理(交換)。もしくは、分解して4.を自分で行う
- 画面の乱れとは関係無いが、クリックスティックが反応しなくなる問題も同様に多い
ということ。
ちなみにGARMINに修理を出すと、交換品が送られてくるようである。
フォーラムの投稿を読んでいると、同じ症状で2回交換したと言う人や、購入後4ヶ月で症状が出たと言う人もいる。こういうのって設計○スとか欠○の類じゃないのかな。こういうことが日本のメーカーの携帯電話やカーナビ製品で起きたらどうなるのかなぁ?などとも思うが、ハンドヘルドGPSとなると、マイナーな製品故にユーザーの選択肢は少ない。
geocaching.comのフォーラムで見つけた「Vista LED Repair」 (LCD Repairが妥当?)と題する分解手順の
解説PDFを眺めつつ、自分のVistaを手とって分解可能か観察してみる。
このところの暑さのせいなのか経年劣化のせいなのか、本体周囲に巻いてあるラバーバンドの接着力はそれほど強くない。ラバーバンドと本体の隙間にマイナスドライバーを差し込むとハエ取紙に付いているようなネバネバが付着してきた。結構簡単に剥がせそう。
ということで、分解→再組立てを決意しました。
注意事項
- これ以降の記述は参考程度にとどめる事(製品にも個体差があると思うので...)
- このページに触発されて分解・組立てを行う場合においても自己責任で行うこと
準備したもの
※私が使用したものです。
- ピンセット
- ラジオペンチ
- 精密ドライバー
- 小型の千枚通し
- カッターナイフ
- セロハンテープ(ラバーバンドの下に巻いた)
- 両面テープ(未使用)
- アルコール(清掃用)
- 綿棒(電極などの清掃用)
- ペーパークロス(手や筐体に付着した接着剤を拭う)
分解

まず、電池フタを外し、電池を抜く。ランヤードが付いている場合はそれらも外す。

筐体周囲のラバーバンドをめくるように外す。
私のVistaは暑さのせいか、経年劣化のせいか、粘着力が弱くなっており、無理なく外せました。
このとき、極力ラバーバンドを伸ばさないようにしたい。

ラバーバンドの下には、防水のためと思われる接着剤付きの薄い透明テープが巻かれている。

フィルム状テープを剥がす。
この接着剤には辟易する。手に付くといつまでもベタベタが取れない。そのままの手であれこれ触ると、ベタベタが移って汚してしまうので要注意。
テープを外した後はペーパータオルなどで筐体や手に付着した接着剤を丹念にふき取ったほうがいい。

筐体は2分割できるようになっており、5箇所のラッチ(左右2箇所と下)で止まっているので、細いピンなどでラッチをそっと押しながら、筐体を分割する。

筐体を分割すると、写真のようになる。
電池ボックス側と本体は、PCインターフェイス用のケーブルで繋がっている。
※電池ボックス側の筐体から、2つのスプリングが飛び出ています。このスプリングを弄ると、不意に飛び出す恐れがあるので紛失しないように注意が必要。

主基盤はネジ止めなどはされていないので、写真のように開くことが可能。
写真の中央の白いコネクタが問題の原因とされる箇所。ケーブルのもう片方は液晶ユニット基盤に付いている。

作業しやすいように、電池ボックス側のPCインターフェイス部から伸びているケーブルのコネクタを外し、電池ボックス側の筐体と主基盤側を分離する。
※コネクタはラジオペンチで掴んで引っ張ったら簡単に外れた。

ここが問題のコネクタ。黒く細いスライダーと呼ばれる部品がフレキシブルケーブルをなんとか押さえているという感じ。
このスライダーを慎重に外す(緩ませる)。
細い千枚通しのようなものを隙間に差し込んでこじたら簡単に外れた。というかポロっと取れた。
[追記: 2005/5/15]
この黒いパーツですが、私の場合は白いコネクタから完全に取り外してしまいましたが、本来は取り外すものでなく、緩めるだけのパーツではないか、との情報をいただきました。
今後挑戦する方は参考にしてください。
このスライダーが取れる(緩む)と、フレキシブルケーブルもあっさりと抜けてしまう。スライダーとの接触圧で留まっていただけだ。使用中の振動や衝撃で少しづつ緩んできて、接触不良が起きてもおかしくない。

これがここまで分解したところ。
フレキシブルケーブルの露出した接点を接点復活剤やアルコールで湿らせた綿棒で拭く。
ついでに、主基盤の給電部(電池ボックス側のスプリング電極が当たる箇所)の接点も拭く。
組立て
基本的には組立ての逆を行う。
- 問題のコネクタにフレキシブルケーブルと黒スライダーを挿し込みにくいので、まずはクリックスティック部の2箇所のネジを外し、液晶ユニット基盤と筐体(画面側)を分離する。
このネジを外すと、液晶が剥き出しになるので汚さないように注意する。
これが液晶ユニットと筐体を分離した状態。今回最高の分解到達点。(写真をクリックすると拡大写真を表示します)
- 主基盤のコネクタ部にフレキシブルケーブルと黒いスライダーを挿し込む。
先にケーブルを挿し込み、その後スライダーを差し込む。
この工程、フレキシブルケーブルの長さにゆとりが無いため、手間取りました。
そしてピンセットを駆使してスライダーを差し込もうとしたところ、この肝心なスライダーの片方のラッチが折れました(泣)。脆い。脆すぎる

(赤枠内が折れた箇所)
しかし、コネクタに差し込むとなんとか片方のラッチと摩擦だけで、コネクタに留まったようです。
[追記: 2005/5/15]
この黒いパーツですが、私の場合は分解時に白いコネクタから完全に取り外してしまいましたが、
本来は取り外すものでなく、緩めるだけのパーツではないか、との情報をいただきました。
今後挑戦する方は参考にしてください。
- 液晶ユニットと主基盤を繋げたら、クリックスティック部を筐体にネジ止めする。
- 電池ボックス側のPCインターフェイスコネクタを主基盤に繋ぐ。
※電池ボックス側の筐体から、2つのスプリングが飛び出ています。このスプリングを弄ると、不意に飛び出す恐れがあるので紛失しないように注意が必要。
- 2つの筐体を噛み合わせる。
- 筐体周囲にセロハンテープを一周程巻く。(分解前に巻いてあったテープの代わり)
防水性を考えた場合、セロハンテープなどではなく、他のテープが良いと思う。
- ラバーバンドをかぶせる。
取り外したためか、若干緩くなった感じがするが、ラバーバンド側には粘着剤が残ったままなので、そのまま握って圧着したのみ。
- 電池を入れ、動作確認
セロハンテープをきつめに巻いたせいか、ややボタンの押下感が重くなったが、全てのボタンとクリックスティックの動作に問題は無さそう。
コネクタを清掃した影響か、液晶のコントラストが濃くなった。
画面の乱れも無い。
分解から再組み立てまでに要した時間はおよそ45分。(撮影時間込み)
覚え書き
分解して5日経ちました。とりあえず車中での使用では問題は出ておりません。
そして、本日(2004/8/8)行程約7時間半の登山で使用しましたが、画像の乱れは出ておりません。
2005年1月 経過観察 : 不具合は出ておりません。
2005年5月 経過観察 : 不具合は出ておりません。
2005年10月 経過観察 : 不具合は出ておりません。
2006年2月 経過観察 : 不具合は出ておりません。
2006年8月 経過観察 : 不具合は出ておりません。